「本校の特長」で使うのは再考するべき「よくある特長」

今回は「本校の特長」としてよく書かれているもので再検討が必要な「よくある特長」についてご紹介いたします。ここで紹介するものは実際にかなり頻繁に見かけるものですが、使うべきではないもの、使い方を考えるべきものがあります。

特長ってそもそもどう考えるべきなのか?

特長ってそもそも何でしょうか?こんな事は聞かれるまでもなくご理解頂いていると思いますので割愛しますが、私の中では「本校の特長」というのはキラーコンテンツの一つであると位置づけています。

つまり、これを読んだ方に興味を持ってもらうための重要なコンテンツだという事です。そこを読めば学校の良さとか特色が分かるものでなくてはいけないのです。

貴校ではその視点で考えているでしょうか?耳あたりの良い言葉で誤魔化していないでしょうか?

見直すべき「よくある特長」

それでは早速、私が多くの学校で見かける「見直すべきよくある特長」をご紹介したいと思います。ここに該当するものを文言として使われている場合には、その理由などをよく読んで見直しを検討してみて下さい。

面倒見が良い学校です

とてもよく使われているのがこの特長です。「何が悪いのか?」と思われるかもしれませんが、よく考えてみて下さい。この逆にあたる「面倒見の悪い学校」はあるのでしょうか?もちろん実際にはあると思いますが(どことは言いませんが)、どこの学校も「貴校は面倒見が良いですか?」と質問されれば100%「YES」と答えるはずです。何が言いたいかと申しますと、これは特長でも何でもなく学校の「当たり前」なのです。そのため特長の一つを使ってまでアピールするものではありません。もちろん、卒業生インタビューなどでそういう文言が出てくるのは大歓迎ですが、学校が自ら特長として挙げるものではありません。これを入れるなら他の特長を探すべきでしょう。

当校は少人数制です

専門学校など中小規模校では当たり前のようにある文言がこちらです。「大学など大人数でやる学校もあるからいいじゃないか!」と思われるでしょう。全くその通りで、この言葉そのものは使う事でプラスに働くのですが、大切な情報が抜けているとあまり効果がないのです。実際の話、大規模校でも「語学は少人数制です」などと書いたりするのです。何が言いたいかと申しますと「少人数」の定義というものは学校によって異なるのです。数百人教室が複数ある学校の場合、50人教室で行う授業は「少人数」になるわけです。しかし、中小規模校からすれば「10人前後を少人数」と考えているかもしれませんし、もっと少ない場合もあるでしょう。要は同じ少人数と言う言葉でも実際には発信者の主観によるものでしかないのです。そのため、この言葉だけを特長として出すのではなく、学校選定のメリットとして打ち出すのであれば「○名前後の少人数制で」と具体的な人数をあわせて記載するようにして下さい。言うまでもなく読み手が納得行く人数でなければ、特長としては捉えられないでしょう。私が見た多くの学校ではだいたいの人数の記載もないため、本当に少人数ならば勿体ない事なのです。

実践的なカリキュラム

これも物凄く多いですね。「面倒見の良い学校」と同じで「実践的でない学校」と胸をはって言える学校はほぼないでしょう。つまり、これも学校としては当然の事なのです。ただ、これも特長として挙げたい場合には必ず「裏付け」を一緒に記載しなくてはいけません。実践的とは言え、そのレベルは学校でまちまちです。誰が読んでも「確かに実践的だ・・・」と感じるものであれば特長として書いても良いでしょう。他の項目も同様ですが、多くの方が実感できる具体的な情報をつけられるかどうかという事が重要なのです。

グローバルな人材を育成する

最近の学校では流行語の一つと言えるものですが、グローバルと言う言葉が重要視される時代ですので使いたい気持ちはよく分かります。しかし、「使っても嘘ではない学校」と「使うには無理がある学校」というのがあるわけです。時代のニーズだからと言って背伸びをした特長を書くのはかえってイメージを悪くします。言葉に見合う背景があってこそ初めて特長として受け止めてもらえるのです。

一人ひとりの個性を生かす

集団ではなく個を考えて育成するというのは分かるのですが、抽象的すぎるものです。広報メッセージではこの手のパッと見て「いい感じ」の言葉はよく使われるのですが、冷静に考えると学校の特長でもなんでもない事に気づくと思います。これも面倒見と同じく「一人ひとりの個性を見ないのですか?」と聞かれればほぼ100%「見る」と答えざるを得ないでしょう。こちらも書かれるのであれば、一人ひとりの個性を生かすために何をしているのかという具体的な内容が近くに記載されなくては説得力に欠けてしまいます。

明るい校風で生き生きと

もう私が伝えたい事はここまで来ると予想できると思います。どの学校も「うちの校風は暗いです」とは通常は言わないと思います。それこそ「暗い」と自信をもって言えるのであればかえって特長として挙げても良いでしょう。どうして暗いのかその理由が気になる所です。

早期からの就職サポート

こちらは是非使ってほしい特長なのですが、これも学校によって早期の捉え方が大きく異なる部分です。おそらく早期と使っている学校の中には他校の就職サポートなど一切調べていない所もあるのだと思います。本記事を書くためにちょっと検索して出てきたところは3年課程の2年次からの開始で早期とうたっていました。実際には3年課程で1年次から就職サポート(キャリアサポート)を行っている所も珍しくなく、どちらかと言えば、はやくないどころか普通なわけです。3年過程で3年次からでは遅すぎるわけですから、これを早期というのは自信過剰と言えるでしょう。もちろん早期からの就職サポートについてはいろいろな意見があると思いますが、それは別の問題として、特長として早期と書くのであれば、他校と比べても「確かに早い」と感じるものでなくては説得力がないのは間違いありません。

充実した就職サポート

同じく就職ネタです。こちらも特長と言えるレベルであれば是非使うべきものです。しかし、多くの学校がどこにでもあるレベルのサポート内容で「充実」という言葉を使っています。例えば、マンツーマン指導、就職担当と担任によるサポート、インターンシップ制度の実施という極めてありふれた内容で充実と書いていたりするわけです。厳しいようですが、特長と書くからにはやはり他校に比べても強みなのだと感じさせなくてはキラーコンテンツの役割を果たせません。

特長を武器として使うために

好き放題書かせて頂きましたが、おそらくこの記事を読んで「何を言っている!」と感じた方もいるでしょう。なぜなら、多くの学校でよく出てくる特長だからです。

しかし、何が大切なのかをはき違えてはいけません。

この記事では「こういう考えに沿って特長ページを作れば学校への興味がより増すでしょう」というヒントを書いているのです。よくある特長は具体的な裏付けや情報がなければ、ただのどこにである特長にしか感じてもらえません。

イベントに参加してもらったり、出願してもらったりと言う事を目的とするのならば、とってつけたようなどこにでもある特長ではなく学校がきちんとイメージできるような見せ方を考えなくてはいけません。

同じ「充実した」と書くにしても充実と感じるレベルは人それぞれです。目指してほしいのはほとんどの方が「この学校、本当に充実してるよ!」と感じるものなのです。

そしてもう一つ忘れてはいけない視点が競合校の特長もきちんと押さえる事です。競合校と貴校を比較する場合、その特長を照らし合わせる可能性も高いわけです。違いを感じてもらうためにはどういう特長を打ち出していくか?という事を競合校の特長をきちんと把握した上で考えなくてはいけません。

今後ますます学生確保は難しくなってきます。中途半端な特長を出している場合ではないのです。

納得してもらうにはどうするべきなのか?そして本当にこの特長で良いのか?という事を再検討する時期に来ていると思います。今まで使っている特長だからずっと使わないといけないというルールなどありません。

学校にとっても、そして入学検討者にとっても納得の行く具体的な特長を考えてみると良いでしょう。

 

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