広報予算を削る場合どこから削るべきか?

学校広報として避けて通れないのが広報予算の削減です。学生数が減少してくると確実にどの学校でも指示されるのが広報予算の削減ですが、いざ削るとなるとどこを削れば良いか判断に迷う事もあると思います。

今回の記事は提携パートナーであるスクールプランナーの高倉聡氏にも意見を頂戴し、私の意見も含めてまとめさせて頂きました。

広報予算を削る時に考えるべき事

まず最初に広報予算を削るにあたり、目立つところ(予算占有率が高い所)を手あたり次第に削れば良いというわけではありません。それぞれの対象に意味を感じていたためにそれまで予算を投下していたわけです。それを単純に削っていけば、その部分から生み出されていた効果がなくなるわけです。

広報予算をどこから削るかを考える場合には、設定された削減額の中で最も効果が下がらないパターンを見つけなくてはいけません。本記事ではその対象を決めるための参考として書かせて頂きます。

広報予算を削る対象と考えられる事

ここでは具体的な対象を紹介しつつ、そこを削った際に考えられる事もあわせて紹介したいと思います。

進学情報誌(紙)

何と言っても予算削減の筆頭に上がるのはこの進学情報誌でしょう。以前に比べ進学情報誌に資料請求はがきをつけても戻る数は極めて少ないですし(ほぼありません)、Web系に媒体が移行している事もありその「直接的な」効果が見えにくいという事も理由として挙げられるでしょう。

しかし、そうは言っても実は重要なのがこの紙の進学情報誌です。学校の進路指導室には今も進学情報誌が多数置いていますし、そこでチェックして参考にする生徒もいるでしょう。また、Web経由と思っても、実はそういう紙媒体経由と言う事もあります。紙媒体で読んで学校を知り、Webで検索したというケースですね。

予算の関係で紙の進学情報誌を減らす事は仕方のない話ではありますが、著名どころについては残しておく方が無難だと言えます。

進学情報系Webサイト

紙の進学情報誌に代わり人気があるのが進学情報系のWebサイトです。学校に届く資料請求の内、これらの進学情報系サイトからの一括資料請求は今もそこそこ多くあるでしょう。こちらは紙媒体よりも現在の対象者の利用媒体に近いものの、やはり人気のないものについては削減対象となるのは自然でしょう。

実際にはこれらのサイト経由で届く資料請求数だけを見るのではなく、そこからイベントに参加した数など「実質的に有効な資料請求数」で予算削減サイトを判断すると良いと思います。中には資料請求数こそ多いものの、そのデータの質が悪い所も多くあるためです。

また広告をきちんと出していたり、任意のキーワードでSEOがきちんと出来ているサイトのみ残すというのもありだと思います。ほとんど対象者の目に触れないのに予算をかけてまで残すのは勿体ないかもしれません。

進学ガイダンス系

実際に学校で行う学内ガイダンスや大きな会場などで複数校がずらっと並ぶ進学ガイダンス。学内ガイダンスの場合、その設定内容(分野別等)によっては学校の宣伝が出来ない事もありますし、義務的に生徒に話を聞かせるものなどもあるため、効果はケースバイケースと言えます。進学ガイダンスも昨今は特に正直言えば当たりはずれが大きくなっています(集客が全く違う)。前年度の動員実績を鑑みてある程度の集客が出来そうなところに参加するのが良いでしょう。動員が悪い所はばっさりと切っても良いと思います。

また、代理店によってはデコレーション関係が物凄く手抜きで参加者のモチベーションが上がりにくいものもあるため、代理店のスタンスで残すところを選ぶのもありだと思います。せめてパーテーションくらいは設置してほしいものです(パーテーションがあると背面にポスターなどを貼れるためアピールしやすい)。

ダイレクトメール

以前は1ヶ月に何度も送付していた学校もあると思いますが、今は送りすぎは嫌がられる事もあり、この点の予算削減においては明確に対象者(どこまでの人に送るか?)を絞って適切なタイミングで送る必要があると思います。ダラダラと何年も前のデータベース登録者へDMを送り続けてもほとんど効果などありませんので「どこに、どういう方を誘導したいのか?」をきちんと考える事で効果を下げずに予算削減が出来るでしょう。

サブパンフレット等

学校案内以外に作成するサブパンフレットは元はなかった制作物でもあるため予算を削られる可能性のあるものです。ただ、サブパンフレットは内容次第ではクロージングなどで極めて効果が高い事もあるため、制作しているものに自信がある場合には残すべきでしょう。

ノベルティ

ノベルティで入学を決める人はいませんので特になくても良いとは思います。ただ、ノベルティによってはいろいろな面できっかけにはなりますので、使い方と必要性を考えて検討するのが良いでしょう。

イベント時のランチなど

ランチに限りませんが、イベント時の予算の使い方はやり方次第でいろいろと変えられると思います。ランチを出すのは構いませんが、単に食べるだけを目的とするのでは広報的な意味はありません。ランチを参加者と一緒に食べる事で何ができるのか?何をしたいのかをきちんと考えるべきでしょう。ノベルティと同様、ランチを出してもらったからと言って入学する方はおりません。

私の本音

私自身は広報予算を削られる学校の場合、その多くがその後さらに入学者数を減らすと考えています。予算がある時にさえ減らしているわけですから、予算が減ればモチベーションの低下も併せてさらに状況は悪化すると考えています。

実際には広報予算というものは最も削減しやすい部分のため、真っ先に「減らせ」という指示が入る部分ではあるのですが、個人的には一番後回しにするべき部分だとさえ考えています。

とはいえ、現状のままで予算を残す・・・というような甘い事は言えません。新たに広報予算をどう使うかを吟味し、本当の意味で費用対効果を上げるにはどうするべきかを考えるべきでしょう。

また、今の時代は有難い事に予算をほとんど使わなくても利用できるツールが多数あります。そういうものも上手に利用して学校の魅力をなるべく多くの対象者に伝える努力をするべきでしょう。

私自身、予算ありきのアドバイスというものは好きではありません。予算を使わなくてもファン化戦略は実行できると思っていますし、入学者を増やす事も出来ると思っています。

しかし、そのためには今以上に頭をひねり、様々な事にチャレンジする必要も出てきます。そして地道な努力も必要でしょう。

単に予算を減らされたらどうこうで考えるのではなく、決められた予算内で最も効果を出すにはどうするべきかを広報担当者が真剣に考える時になったのだと思います。

なお、一番最低な考えは「与えられた予算を使い切らないと次年度の予算を減らされるから最後に使い切ろう」と考えて年度末に予算を使いまくる事でしょう。こういう人が学内(学校に限りませんが)にいる限りは予算の良い使い方などはいつまで経ってもできないでしょう。

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