学生募集の理想と現実

学生募集に際して理想とされるのは「質の良い学生に入学してもらう」というものです。しかし、現実には中下位校にとってはそんな贅沢な事を言える状況ではないはずです。定員を埋める事などは夢のまた夢、その上にさらに質の良い学生だけというのは無理難題に近いと言えます。

教員から希望が出るのは理解できます

私は広報も講義も担当していたため、正直言えばどちらの意見も理解できます。ただ、広報としては質云々以前に出願数を増やさなくてはいけないわけです。それこそプレッシャーが各所から来るわけです。そのため質を選んでいる場合ではないというのが本音です。

しかし、現実には入学前の時点で接触した方の質などはたいていの場合は分からないのです。いわゆる偏差値が低い高校の方であれば質が悪いか?と言えば、実際にはそうでもありません。入学してから目覚ましい活躍を見せる方もいますし、人間性についてもこちらが見習いたいという方にも沢山出会いました。

特に専門学校などになるとそれまでの学習内容とはかなり変わってくる事もあり、それまでは優等生だった方が教員の言うところの「質の悪い学生」になる事も珍しくないのです。

そのため、そもそも論として「質の良い学生を集めてほしい」というのは難しいのです。

授業次第で学生は変わる?

広報サイドからの意見でよくあるものがこちらです。授業が面白ければ生徒は真面目に聞くはずだという事です。これに関しては概ね賛成です。

実際には嫌々入学をした方も稀にいるため(親の希望、その他とりあえず進学した人)、最初からやる気がない方もたまにいます。ただ、先生の魅力、授業の面白さで授業態度は変えられるというのは感じています。

実際、同じ学生でも先生によって授業態度は全く違うものです。そういう意味では質の良い学生を望むなら、授業を工夫してもらうしかないと思っています。入学前に質などは分からないわけですから、対応しやすい教員側が譲歩すべきでしょう。

学校は人を育てるところです

入学時点で全てが完璧な方はいません。それこそ50に近づいている私でさえまだまだなのです。まだ若い学びの層にとって質を求める事そのものが間違えていると思っています。

人はいろいろな方との出会い、経験、学びなどによって成長していきます。学校はまさに育てる所なわけですので、完璧な方を求めてはいけません。

実際にはちょっとやんちゃな学生というのは一度信頼関係を築くと面白みがある事が分かるはずです。授業への態度が悪ければそれを改善するにはどういう工夫をするべきかを教職員が考えなければいけないでしょう。それこそ入学してもらった学校の責務と言えます。

理想があるのは分かります。しかし、少子化がかなり深刻になっている現在、理想だけでは学校経営は成り立たないのです。

まずは相手に多くを求めるよりも学校そのものが成長しなくてはいけません。学校が理想的なものになれば、学生はそれに見合うような人物になろうと努力をするものです。

全ては学校にかかっています。

・・・と、このような記事も理想ですね・・・と言われれば返す言葉もありませんが^^;

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