広報担当者の思い切りの良さが学校を救う

今回のテーマは「広報担当者の思い切りの良さが学校を救う」ですが、別の視点で言えば、定員割れが起きているという極めて危機的な段階になっても「思い切った方針が取れない広報担当者のいる学校の未来は厳しい」という事になります。

悪い流れを断ち切るには思い切りしかない

学生募集に限りませんが、一度流れが悪くなるとそこから抜け出すのは一苦労です。特に学校の場合には避けようもない少子化も伴っており、外部環境は最悪な状況です。そんな中、今までの考え方で何とかしようと考えているのであれば、学校の未来は暗いとしか言いようがありません。

そもそも論ですが、数年前は今よりも楽であった学校は多いはずです。それが年を経るたびにどんどん状況が悪くなっているのだと思います。楽だった時でさえうまくいかなかった「これまでのやり方」がさらに悪い状況でうまくいくはずもないと認めなくてはいけません。

そうなると、改革とも言って良いレベルでの考え方や広報の仕組みの変更が必要となるわけです。

もっと分かりやすく言えば「今のやり方ではもうどうにもならない」と認める勇気が必要であるという事なのです。

長くいるほど考え方は固定されてしまう

私の複数での学校広報経験でもそうでしたが、学校に長くいればいるほど考え方は固定されていきます。広報担当者は経営者の意図を汲み、ほぼ毎年同じような流れで広報スケジュールをこなしていく事が多いはずです。

この定型スケジュールの悪い結果として、今でも5月くらいの進学ガイダンスにおいて前年度の学校案内を「普通に」出している大学が多いわけです。よく考えて下さい。対象者には関係のない年度の学校案内を営業ツールに使っている事がいかにおかしな話か認識しなくてはいけません。

学校の都合だから仕方がないですか?おそらくそう反論する担当者は多いでしょう。

そんな事は進学ガイダンスに参加される方には全く関係ありません。誰しも自分に関係のある資料をもらいたいと思っているはずです。少なくとも前年度の資料が欲しいと考えている方などほぼ皆無でしょう。新しいのが無いというから仕方なくそれをもらっているだけです。

特に大きな変更がある場合には前年度の資料などほとんど役に立ちません。競合から一歩でも前に出るにはこういう点も意識しなくてはいけないのです。

実はこの点は私も経験していますが、教職員全体で変える必要性を感じそれまでの完成時期(6月)を大幅に変えて2月下旬~3月上旬には次年度向けの学校案内を完成させました(次年度向けに参加が決まっているイベントに間に合うタイミング)。

面白いもので学校案内の完成時期が変わるだけで広報戦略もいろいろと細かい部分でやりやすくなったのは確かですし、募集の数値も好転しました。配布物の制作時期を変えるだけでも良い流れが生まれるわけです。

規模の大きな大学ではなかなかスケジュールの変更は難しいとは思いますが、中小規模校であればできない事はないと思います(というか絶対にできます)。もしまだゆっくりと学校案内を作っているのであればこの点を見直すだけでいろいろとやりやすくなってくるはずです。「うちでは無理だ」とあきらめずに早期完成を阻んでいる要素を明確にして、それを改善するためのアイデアを出すようにして下さい。

早い段階で学校案内ができるという事は早い段階でイベントスケジュールが決まっている事になり、同様にカリキュラムなども決まっているわけです。イベントなどでも具体的な話ができるわけですから、訴求力が上がるのは必然なのです。

何度も書きますが第三者の意見は驚くほど効果がある時があります

「あー、また営業トークか!」と思われる方はここから先は読まれる必要はありません。そういう広報担当者はそもそも学校をよくする可能性を何でも試したいという強い積極的意志がない方ですので、広報担当者に向いていないと私は考えています。

このサイトのブログを過去から読んでいる方であれば、第三者の意見の必要性について私がしつこく書いているのをご存知だと思います。最も分かりやすい第三者は在学生です。在学生は正直ですので意見を求めれば、学校の悪い所をいくらでも指摘してくれるでしょう。とはいえ、広報面での問題については未知数ですので在学生の場合には学校そのものの改善への意見が多いと思います。

もちろん、学校そのものが改善されるという事は広報で打ち出すべきポイントが増える事にもつながりますので当然ながら学生募集にも大きく関わってきます。それこそこの点については学内に目安箱を設置して広く意見を求めるべきと私は考えています。入学した方が不満が多い学校ではまともな教育はできませんので、良い意味で学生に寄り添うためにも意見は広く求めるべきだと思います。

このように書くと「学生に迎合するのは・・・」と言う方もおられますが、これは迎合ではなく「そもそも学校に入学時に期待されたものを適切に提供する」というだけの話です。

広報面についてはコンサルタントなどに依頼するのもありだと思います。ただ、この点はコンサルタントである私からも書いておきますが、別に万能というわけでもありません。報酬の高いコンサルタントだからと言って必ずしも学生数が増えるとも限りませんし、その逆に私のように安価なコンサルタントだからうまくいかないわけでもありません。正直、相性もあると考えていますし、私について言えば効果・満足度は月数十万のコンサルに負けているとは全く思っておりません。

思い切って変化を受け入れる意思を学校教職員が持っている事が大前提となりますが、学校を変える事には多くのストレスがつきまといます。それらを上手に消化していき学校を変えていく必要があります。

学校が変わるきっかけというのは大げさなものでもなく、ほんの一言から生まれる事もあります。学校にいると気づかなかった点にあっさり気づいて指摘してくれる事もあります。

学生数が減り続けているとそういう奇跡のような事が起こるとは想像もつかないとは思いますが、今のまま何も変わる要素がないのであれば、思い切って新しい扉を開けてみても良いのではと私は考えています。

いずれにしましても、広報担当者はどのような形にしても思い切って変えていく必要があります。その点だけは忘れないで下さい。広報担当者が学校全体の命運を握っていると言っても過言ではないのです。

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