教員と広報の関係が悪くて改善アクションができない
ほとんどの学校では教員と広報(事務方)というのは分かれています。中小規模の専門学校などの場合には兼任という事もあるでしょうが、たいていはそれぞれの専任だと思われます。
学生募集がうまく行ってない学校というのは傾向としてこの関係がよくない場合が多くあります。そのため意思の疎通がはかれずに募集イベントなどもニーズにあったものへの転換が出来ないなどの問題が生じてきます。
私個人の経験で言えば、学生募集上においては事務方である広報が主導権を握れない場合にはうまくいかないという考えがあります。教員が主導権を握る場合、どうしても教員サイドのエゴ(=わがまま)が通る場合も多く、募集上の戦略以前に自分達がやりやすいようにしてしまいがちです。もちろん、そういう教員ばかりではありませんが、保守的な方が多いのは間違いありません。
広報担当者は募集の状況が悪化してくると真っ先に危機意識を感じるわけですが、教員はどうしてもそれらの情報に触れるのが遅くなる事もあり意識のずれが生じてしまいます。そのため、教員の力が強い学校は思い切った広報施策を実施する事も出来なくなってしまいます。結果として学生数の減少を止める事が出来なくなり、全員が「危ない」と思った時には何も動きが取れない状況にまで陥ってしまう可能性が高くなるわけです。
イベントについては教員は以下の点を明確に意識しないといけません。
「教員がやりたい体験入学内容=学生の求める授業」ではない
という事です。もちろん、これがマッチする場合もありますが、経験上、多くの教員は例年同じようなイベントをほとんど中身を見直さずに実施する傾向があります。時代が変わればニーズも変わるわけですので、本来は毎年再検討する事が望ましいものです。
そんな中、学校運営で上手に双方の立場を考えるにはどのようにするのが良いのか?について一例をご紹介いたします。
- 募集に関する担当者(やる気のある人物)を教員、事務双方から出す
⇒各部門の意見をまとめて、その担当者同士で話し合う - 各部門の担当者に全教員(事務員)が意見を集約する
- 決まったことには反対しないことを決めておく
- 事務主導で入学者のニーズをつかんで、教員にフィードバックする
- 体験入学のテーマなどはアンケート等の結果をきちんと反映させる
- イベントは本物の授業ではなく、参加者に印象を与えるためのものであると割り切る必要がある(但し、現実と離れたものをするべきと言うのではありません。あくまで実際の授業の質そのものを底上げし、それを体験イベント用に昇華させるという事です。体験と実際とのギャップが大きすぎればそれこそクレームが出てしまいます)
- 第三者の意見(外部の学校経験者の意見など)を広く取り入れる
- 意見をまとめるためには、ライバル校のイベントなども把握する
- 経験に基づかないあいまいな意見で、協調性を失うようなことはしない
- 担当者は自分の休みを優先させずイベントを優先させる
- 昔はこれで成功したという良い記憶はこの際忘れる
外部の人間からの一言は大きい
特に私自身をお勧めするわけではありませんが、状況が悪化している学校というものは、得てしてお互いの意見をきちんと聞く体制が出来ていません。
そのため、一度外部の人間にフラットな視点で今の状況がどうであるか?どうすればより良い流れを作る事が出来るかを相談してみるのも良いと思います。
想像して頂けると分かるのですが、どんなに良い意見でも内部の方の意見(若手は特に)というのはたいていは上の人間につぶされてしまいます。学生が集まらない所は正直、昔からいる上司に問題があるケースも珍しくありません。意見を聞かない、聞けない、そして対応しないという風潮が残っていたりするとこの先は真っ暗とも言えます。
そういう意味では外部の人間の意見というのは先入観がない分、きちんと聞こうという意識が生まれるものです。もちろん反発心も同時に生む事はよくありますが、それでも正直な問題点を指摘されるという事には大きな意味があると思います。
どこかで学校が変わらなければこのまま終わってしまいかねません。そういうきっかけさえ掴めれば、学校は大きな前進への一歩を踏み出せるかもしれません。
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