安直なイベント参加特典は募集をさらに悪化させる
募集イベントの参加者を増やすために各校ともいろいろと工夫を凝らしています。しかし、中には安直な考えで参加特典を付けている学校も見受けられます。そういうものは学校のブランド価値を下げてしまう可能性があります。
募集イベントの参加特典の考え方
オープンキャンパスなど各学校ともイベントの集客のために参加特典を設けているケースは少なくありません。例として以下のようなものがあります。
- ノベルティの配布
学校の名前の入ったノベルティを配布する事で募集イベントへの参加を呼び掛けるものです。 - 一般商品の配布
ギフト券やアイスのクーポン券など一般商品を配布する事で募集イベントへの参加を呼び掛けるものです。 - 入学金や学費などの免除
入学にあたってのコストを下げる事ができる資格を付与する事で募集イベントへの参加を呼び掛けるものです。 - 特別情報の付与
受験する際に役立つ情報の付与をする事で募集イベントへの参加を呼び掛けるものです。 - 総合型選抜(AO入試)の条件
総合型選抜(AO入試)の条件として募集イベントへの参加を呼び掛けるものです。
いずれも今では一般的な手法ですが、中には実施する事で学校のブランド価値が下がるものがあります。上記で言えば「入学金や学費などの免除」は使い方を間違えるとかえって募集を悪化させます。学費が安くなるのであれば誰もが喜ぶと考えられますが、なぜこれが募集に悪影響となるのでしょうか?
お金を減らす事でしか学校の価値を見せられないのが問題
本当に行きたい学校があった場合、学費が安くないと受験しないでしょうか?答えはNOです。本当に行きたい学校であればそれこそ奨学金を借りてでも行きたいと思うのが普通です。イベント参加をしただけで入学金や学費の一部を免除する事は、見方を変えればそこまでしなければ学生が集まらない学校というブランドを構築している事に他ならないのです。ここ最近見かけるものでは、それこそ1回だけイベントに出ただけで入学金や学費を合わせて50万円以上が減額されるなど、それこそ安売りを売りにしているようにしか見えないものもあります。
もちろん学校によってはそれくらいの事をしないと本当に学生が集まらないというのも理解できます。しかし、考えてみて下さい。その先に何が見えるでしょうか?そういう学校は既に複数あるわけですが、これを重宝がって続けてしまうとその後は値引き合戦しか残っていないのです。学校が値引きをする事そのものがそもそも学校の価値を下げる戦術に他なりません。入学コストを下げる事でしか学校をアピールできないわけですから問題なのです。本来なら入学したくなる学校を目指す必要があるわけです。そのため、どこかでその手法からの転換をしなければ遅かれ早かれ学校は募集停止への道を辿ってしまうかもしれないのです。
誰でもOKなどは達成感が弱いのでNG
私自身も学校広報として在職中には様々な特典を考えました。しかし、誰でも簡単にその恩恵を受けられるようにだけはしませんでした。そういうものは達成感がなく、学校に魅力を感じる事も学校を理解する事もないためです。
私の手法では学校を理解し、学校に共感し、学校のファンになり、何度もイベントに参加したくなり、努力次第で誰にでもチャンスがある仕掛けを作りました。イベントに1回参加しただけで大幅に減額するなど達成感が生まれないのです。この詳細についてはクライアントにしかお伝えしていませんのでここでは書きませんが、このようにいろいろな目的を達成できる仕掛けを作ったわけです。その結果として誰もが驚くレベルの、それこそ真似のできないリピーター率となったのです。
大切なのは特典に繋がりがある事
募集イベントの参加特典などをもちろん否定するわけではありません。しかし、その特典にはその後への繋がりがある必要があります。参加したら〇〇がもらえる…という場合には、それをもらった時点で全て終わります。それこそギフト券などで言えば、もらった時点でもう目的を果たしたと考える方もいるでしょう。そういう方を呼び込みかねないのです。
入学金などの免除であれば繋がりがあるのでは?と言われる方もいるでしょう。もちろんその段階では十分な繋がりも意味もあります。しかし、1回参加してその特典や権利を受け取ったらそれ以降はもう自由行動でOKとなるわけです。どういう事かと言えば、競合を調べる時間もたっぷりあるという状態なわけです。またもし競合校全てが同じ特典をつけていたらその時点でその特典は特典ではなく「当たり前のもの」になるわけです。そしてそういう状況は珍しくないのです。
そういう事もあり募集イベントでの参加特典を付ける場合には、その特典を付けた後にもある程度の期間繋がる仕掛けがある方がうまくいくと考えています。私の場合、一つの要素(ここでは入学金免除など)だけで学校のファンになってもらうという考えを持っていません。いろいろな仕掛けを絡み合わせて(しかしシンプルでわかりやすく)学校の理解も進むような仕掛けを作ります。そうする事で得点が大きな意味を持つように仕向けていました。ヒントを一つ書くとすればやはり「達成感」となるでしょう。誰でも簡単に受けられる特典よりも、何気に多少のハードルがある方が「自分の努力で獲得した特典だ」という達成感が生まれるのでうまくいきやすくなるものです。何と言っても今の時代は自己顕示欲の強い時代ですから尚更です。
是非そういう繋がりの生まれる仕掛けを貴校でも検討してみると良いでしょう。それを見つける事ができれば貴校の募集も変わるはずです。
◆著書一覧

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