状況別改善優先項目の考え方

学生募集を良い状態にするための方法はいろいろとありますが、学校の置かれている状況によって改善する項目の優先度は変わってくるものです。今回は二つの状況での改善優先項目を考えてみたいと思います。

学生募集の状況がかなり悪い学校の改善優先項目

学生募集の状況がかなり悪いと言いましても受け手によってその状況には大きな差異があると思います。ここではオープンキャンパスなどの重要なイベントへの動員が極めて少なく、また資料請求数も期待している数よりもかなり低い状況での話となります。いわゆる「末期」に近い状況の学校の場合の改善優先項目について話したいと思います。

資料請求数が少なくイベント参加も少ないとなった場合、それが続けば学校経営に大きな影響を及ぼす事は言うまでもありません。そもそも入学者として期待できる母数が取れていないわけですので早急な対応が必要であると言えるでしょう。こういう状況の学校における私の中での改善優先項目はほぼ決まっています。

  • 認知度を上げるためのブランディング対策(難易度は高め)
  • 資料請求数を増やすための対策(学校の状況によっては比較的やりやすい)
  • イベント参加者を増やすための対策(難易度は比較的高め)

基本的にはこの3つがとにかく最優先です。学校を知る人が少なければ資料請求数は増えるわけもありませんので、何らかの形で学校を知る人を増やす必要があります。もちろん知っているだけでは意味がありません。学校に興味を持ってもらう必要があります。

学校を知る人が増えたら必然的に資料請求数は歩留まり論で行けば増えるわけですが、ブランディングがうまくいかないケースもありますので現在貴校サイトなどにアクセスしている方の資料請求数の歩留まりを上げる施策が重要となります。

資料請求数が増えても出願者が増えなければ困りますので、イベントに参加数を増やして学校への理解度を高める必要があります。これらの施策がうまく行けば学校の募集はある程度改善される事になります。

学生募集の状況がそれほど悪くない学校の改善優先項目

前述のような末期の学校とは異なり、ほとんどの年で定員付近は集まっているという学校の場合には優先事項が変わります。もちろん前述した項目へのテコ入れを合わせて実施すれば効果がさらに上がるのは言うまでもありません。

資料請求数やイベント参加者数がある程度確保されているがもう少し出願者数を伸ばしたい場合には入学に結び付く項目を見直す事で結果に繋がりやすくなります。下記は一例となります。

  • イベントの満足度を上げる対策
  • 競合校との違いが分かる対策
  • 競合校に比べて印象を強く残す対策

進学先を決める方の中でオープンキャンパスに参加している割合は多いものです。時に学校案内などの資料だけを見て出願をされる方はいるものの、やはり来校している方に比べればその出願率は大きく下がります。それを踏まえれば学校との接触点となるイベントの満足度を上げる事には大きな期待が持てる事になります。

次に競合校との違いが分かる対策について。対象者は複数の学校の中で進学先を検討するケースが多いわけですが、大切な事として「記憶してもらう」事が大前提となります。記憶に残らない学校には入学しないわけですので、確実に貴校を認識できる要素を作りこむ必要があります。

これとあわせて印象を強く残す必要があります。ここ最近は似たような広報施策を取っている学校も増えてきていますが、それでは印象を残す事は出来ません。他校と同じ事をやるという事はどこに入っても同じであるという印象しか与えないのです。そうではなく、圧倒的な印象を残すために何をするかが大事なのです。なお、インパクトだけを残すためにエンタメに走る学校もありますが、学校の教育と繋がらない「ネタ」だけに頼るのはお勧め致しません。面白いだけでは進学先としては弱いと考えています。ベースとして学校は夢を叶えるために通う場所ですので、そこを無視したエンタメ要素だけの広報は避けるべきでしょう。

学校の状況によってやるべき事は様々ですが、どのような状況であってもやれる事は間違いなくあります。真剣に取り組むかどうかで学校の未来も変わってくるでしょう。

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