これからの体験入学の在り方のご提案
体験入学(オープンキャンパス)を実施していない学校はほとんどないと思いますが、今回の記事では中小規模校のこれからの状況や環境にあわせた体験入学について一つのご提案をしたいと思います。
少子化により減少する教職員数
中小規模校が避けて通れない事として教職員数の減少が挙げられます。教員数については認可の関係で定められている人数がいないといけませんのでそこまで減らない(減らせない)と思いますが、広報担当などの事務職員数は学生数減少に伴って減る可能性があると考えています。正確に言えば誰かが退職しても新しい人を採用する余裕(=お金)がないという事です。実際にはそういう人材が減る事により益々募集が厳しくなるので、もし貴校が既にこの状況であれば悪循環に陥っている事は理解するべきでしょう。
学校広報においては、おおよそそれまで行っていたイベントは例年同じように予定するものです。入学式や卒業式は当然やめられませんが、それ以外の募集イベントも事務担当がいなくなったとしてもやめるわけにはいきません。しかし、人が減っていれば運営面で厳しい部分も出てきます。その結果、イベントの品質が落ちるという事になり結果として満足度が下がり益々出願者が減るという事態に繋がるのです。
そういう悪循環を続けていればいずれは学校そのものが募集停止という事になりかねません。それであれば早い段階で「手間のかかる部分」の見直しをするというのも一つの手です。
体験入学は所詮作られたものです
学校関係者に説明するまでもなく一般的な体験入学(体験授業)は募集用に行うものです。そこには多少とも広報的意図が含まれていますし、多くの学校では普段の授業そのままの体験が出来るのとは違います。まさに募集向けの特別な授業となるわけです。そのため、そこで経験した事がその学校の「真実」であるか?と言えばやや疑問が残るのは皆さん自身も分かっている事でしょう。言い方を悪くすれば「作りこまれたイメージの学校」となるわけです。そういう意味で言えば、体験授業を受けたところで本当の学校の姿は分からないと考えています。そして、ここが重要な点ですが、高校の先生などでもそう考えている方は少なくありません。ある先生はこのように言っていました。
「体験授業は本当の授業とは違うので参考になりません。アポイントなしで学校に行き授業の状況を見せてもらいなさい。」
このように生徒には伝えているとの事でした。それを聞いた時の私は「さすが!」という思いでした。まさに学校の事を良く理解していると感じたものです。
どの学校でもアポなしの見学は普段からあると思いますが、その際の授業はさすがにコントロール不能です。学校を案内しつつ回ったらもしかすると授業の一部はうるさすぎてまともな授業ではない事もあるはずです。もしそれが見られたら…貴校は候補から見事に外れる事になるでしょう。普段の授業ばかりはごまかす事はできません。またところどころにいる学生もコントロールできません。廊下の長椅子でダラーっと寝そべっている学生などがいればイメージダウンは必須でしょう。
どうせなら本当の体験授業にすれば良い
さて、ここからが本題です。私のご提案は「普段の授業を体験授業にすれば良い。」というものです。教職員が不足気味でイベント実施をしても満足できるようなものができないようであれば、発想の転換として「体験授業は普段の授業」でやれば良いという事です。普段の授業の教室で一緒に受けてもらうのです。学生との関係が良好なら問題なく実施可能なはずです。
私自身実際にこれを実行した経験がありますが、学生はとても協力的でしたしこのイベントからの出願率はかなり高いものでした。もちろん前述の通り、学生と教職員との間の信頼関係が出来ている事が前提とはなりますが、この点で言えば中小規模校は強いと思いますので、実際の授業に見学者を入れても問題はないはずです。ちなみに10分などの短時間だけ入れるのではなく授業時間(90分なら90分の一コマ)全てに参加してもらうのです。授業を受け終わったら退室してもらい、学校の案内なり説明なりをすれば良いだけです。
この方法は実にメリットが多いのです。
- 実際の授業を体験できる。授業の様子が分かる。
- 在学生の質を見てもらえる。
- 専門的な授業に触れる事が出来る。
- 在学生との会話が出来る(多少は)。
- 学校への満足度が高ければ在学生が頼まなくても学校の宣伝をしてくれる。
- 準備はほぼ不要。
- 無駄な要素がない。
- コストがほぼかからない。
- 授業以外は担当者一人で対応可能。
- 現実主義の高校の先生も納得!
他にもいろいろとメリットはありますが、今後益々人手不足になる可能性がある中小規模校にとって、効果を上げつつも手間を減らす事が出来るのです。もちろんこれをやる事でオープンキャンパスが不要になるわけではないものの、それまでのオープンキャンパスを教職員数に応じて簡略化する事も可能です。
但しこの手法を使う場合には、参加できる授業の選定はある程度必要になると思います。教員に対しての許可、在学生に対しての許可が必要になりますが、この辺も関係性が良ければ問題ないと思います。もしこれを頼めないという学校であれば、そもそもそのような学校は人間関係から見直さなくてはいけません。
これからの体験入学の形としてこういう方法を試してみるのも良いのではないでしょうか?
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