私自身学校コンサルタントとしていろいろな学校を見てきましたが、確実に言える事として広報担当者の資質がその後の学生募集に大きく影響をするという事を実感しています。そして時として広報担当者次第で学校経営を危険にさらす事さえもあると考えています。

広報担当者のパターン

広報担当者にはいくつかのパターンがあります。もちろん綺麗にここで紹介するパターンにはまるわけではないものの、大雑把に言って下記のような分類に分かれます。

• 自分の考えが全てであると信じて他人の意見をほとんど聞かないタイプ
  そもそも論としてこういう方が広報担当者である場合には学校コンサルタントに依頼が来る事はほとんどありませんが、どのようなアドバイスをしたとしても「それはこうだから」と言って一切聞き入れる姿勢を見せない傾向があります。そんな人はあまりいないだろう？と思うかもしれませんが、現実として結構いるタイプです。他人の意見を聞かない理由としては担当者ごとにいろいろとあるとは思いますが、多くは「自分のテリトリーを侵されたくない」という性格の方が多いと感じます。学生募集がうまく行っている間はこのタイプの広報担当者でも問題はありませんが、現在のような学生募集が全体的に厳しい状況においては学校にとってのリスクがあるタイプの人材であると言えるでしょう。なお、このタイプの場合には学校コンサルタントの様な外部の方からの意見は当然の事として、部下などの学内の方の意見も聞かない傾向があり厄介であると言えます。最も学校を危険にさらすタイプの広報担当者です。
• 第三者の意見を信じ、積極的に取り入れるタイプ
  これだけを見ると学校コンサルタントからはやりやすい担当者のように見えるかもしれませんが、実際のところはそうでもありません。何でもかんでも言う事を聞いて実行するというのは、自分の意見がほとんどない事を意味するためです。外部の人間は今よりも良い状態になるようなアドバイスをしますが、やはり学内の人間ではないために気づかない点などもあります。それもあり、全てを受け入れられる事への弊害というものも存在します。
• 第三者の意見も取り入れつつ、自身の意見も共有してくれるタイプ
  最も好ましいのがこのタイプの広報担当者です。外部のアドバイスも受け入れつつ（アドバイスの本質を理解しつつ）、学校の状況に合わせてカスタマイズした内容を提案して頂ける場合、より一層広報施策の効果が見込める事になります。その学校にいなければ分からないようなポイントを加味して改善施策に取り組む事ができるので、より効果の出やすい形にて施策を進める事ができるようになります。

第三者のアドバイスは何故有用か？

第三者の意見は何故有用であると言えるのでしょうか？これについては学校コンサルタントとしての経験からの意見を書かせて頂くと下記のようなものが挙げられると考えています。

1. 学校を知らないが故に今までの広報施策をなぞるという概念が一切ない。結果として新鮮なアイデアが生まれやすい。
2. 学内の人間の「部下」と言う立場ではないため、アドバイスをする時に忖度の必要がない。忖度の必要がないという事はアイデアの制限が極めて少ない事になり自由な発想の元でのアイデアが生まれやすい。
3. これまでの広報会議での意見とは異なる意見を聞く事が出来る。そのため新しい視点や発見が生まれるようになり、そこから派生した多様な広報施策案が生まれる。
4. これまでの広報施策において効果が出ていないのであれば、それまでにない意見は確実に参考になる。

このように第三者の意見には様々なメリットがあります。学校コンサルタントだから言うわけではありませんが、意見を聞く事のデメリットがほとんどないとさえ考えています。アドバイスを聞く事そのものに抵抗を感じる広報担当者もおりますが、そういう閉鎖的なスタンスでは本当に学校の未来をリスクにさらすだけだと考えています。学校経営を安定させるためにいろいろな立場の意見を積極的に取り入れると良いでしょう。別に学校コンサルタントだけがその対象ではありません。広く在学生にアンケートを取り意見を聞くでも構いません。大切なのは今までとは違う方の意見を聞く事なのです。

◆著書一覧

Yasushi Kameda

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