資料請求フォームでそんな事を聞きますか?

学生募集における重要な時期に入りました。夏季期間の広報活動は学校広報における最重要の時期の一つである事は言うまでもありません。この時期にどれだけの資料請求を集める事ができるか?そしてイベントに参加してもらえるか?という事は学校経営上の重要指標となるわけです。今回は資料請求フォームの入力項目について少し突っ込んで考えてみたいと思います。

貴方なら個人情報を答えますか?

最初に質問です。フラットな気持ちで貴方が選択する行動を直感的に考えて下さい。

質問:面白い情報をPDFファイルにて差し上げますのでその代わりに貴方の住所を教えてもらえますか?

いかがでしょうか?直感的に貴方は何を考えましたか?よく読むと分かりますがPDFファイルをもらうのに貴方の住所は必要ありません。しかし、相手は住所を教えて欲しいと言っているわけです。欲しい情報であれば貴方は100%納得して住所を差し出すでしょうか?実はこの感覚が資料請求フォームなどを作る側に必要なのです。

学校がいろいろな情報を欲している事は理解します

学校が資料請求フォームで対象者のいろいろな情報を欲している事は理解しています。どうせ聞くならついでにこれも入力してもらおうとばかりにいろいろな質問が並ぶわけです。名前、住所、電話番号、生年月日、メールアドレス、興味のある事、他いろいろ。

しかし、よく考えてみてください。相手が求めている事に対しての必須ではない項目まで聞いている事に気づきませんか?ここで代表的な「目的」別に必須の項目を考えてみましょう。下記は公式サイトの各フォームからの申し込みを前提にしています。

  • 資料請求…名前、住所、電話番号
  • 体験入学…名前、メールアドレス、(電話番号)
  • 学校見学…名前、メールアドレス、(電話番号)
  • 問い合わせ…(名前)、メールアドレス

実際のところ資料請求では名前と住所があれば資料は送る事ができます。但し住所間違いなどがあるため電話番号はあった方が良いですしこれを求めても多くの方はそれほど気にしないでしょう。体験入学申し込みについては名前とメールアドレスだけでも可能ですが突然のイベント変更などの場合の連絡手段として予備に電話番号を聞くのは問題ありません。学校見学も同じです。問い合わせについて言えばそれこそ本来は「本名」さえもなくても解決します。メールアドレスさえあれば返信できるわけです。とはいえここで名前を答える事に抵抗がある方はそんなにはいないと思います。

参考までに当サイトでは通常の問い合わせフォームに加えて「名前を教えたくない」と言う方のために匿名ご相談フォームを設けています。こちらでは匿名かつメールアドレスもフリーアドレスで構わない事にしています。なぜこのようなフォームを設けているかと言えば、学生募集が厳しい状況の学校というものは相談はしたくてもなかなか言い出せないという状況が多いためです。そこでまずは学校名なども一切いれずにサポートなどの相談が出来るフォームを用意しています。

余計な質問項目は離脱率を上げる

貴校のフォーム内で何を質問しようとももちろん自由ではありますが、そのフォームが何のためのものかをもう一度考えてみる必要があります。貴校のデータベースを充実させるのが目的なのでしょうか?それとも学校の資料を請求してもらう事が目的なのでしょうか?言うまでもなく後者であると思います。しかし、そんな事は分かっているにも関わらず余計な質問項目をだらだらと並べている学校が意外と多いのです。質問に答えるのをためらうような項目を残してまで離脱を増やす理由など本来はないのです。

さらに悪い例で言えばフォーム内でアンケートを取る学校。これはもう問題外です。離脱のリスクを増やしてまでアンケートを取る必要など資料請求フォームにおいては全くないのです。それこそ貴校への興味度合いもバラバラな方を対象にアンケートまで取る事で離脱者を増やす事はないのです。パッと見てフォームに回答するのに時間がかかると感じられる場合、それだけで離脱の原因になります。そのためフォームは出来る限りシンプルに短時間で入力が終わると感じさせる必要があるのです。

プライバシーに関わる事は慎重に考える事

フォームの質問項目においてのベストプラクティスは「必要最低限の情報」という事になります。特に住所などプライバシーに関わるものについては必要もないのに質問するのは間違いです。前述の「問い合わせ」のみでもいろいろな情報を入力させる学校がありますが、そういう学校はむしろ学校そのものの個人情報に対する意識が極めて低いと私は判断しています。聞く必要もない情報を気軽に聞いてくるわけですから私からすれば信用ができません。

資料請求やイベント申し込みを増やすためにいろいろな広報努力をしていると思います。しかし、気づかない所で自らがその努力を無駄にしている可能性もあるという事を忘れないようにしましょう。

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